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ブラインドテイスティング [利き酒]

20081101

先日、パセミヤよっちゃん達とのワイン会でした。

DSCF6648.jpg

「世界のピノノワール」というお題で、
ワインショップFuzimaruのF氏のセレクションです。

ブラインドテイスティングで試されているのは、
目隠しされている人間ではなく、出題者だったりもします。
選択されたワインにどれだけの物語、あるいは意味が織り込まれているか。
セレクトされたワインには、選んだ人が持つ価値観とセンスが現れます。

ある人が持つ趣味の輪郭を知るために、
私がしばしば問題にするのは、
その人興味が何処で始まりどこで終わるのかです。
その人の興味の中心にあるものは、見えている通りと言えばそれまでで、
その周辺部分にこそ他と区別される全体像があるのだと思っています。
本棚は整理されていない部分を見ると面白いです。
その他にもコレクションされたものには、
整理された分ではなく、未整理の部分に関心させられることが多くあります。
そこには途絶えてしまった好奇心や興味、
実現されることの無かった意図や夢が潜んでいます。
可能性の中心は周辺=辺境=国境にありでは、
言い過ぎでしょうか。

今回出されたのは10種類で、
泡が最初のひとつで、続いてブラン・ド・ノワールが2種類、
その後の赤が7種類でした。
白の2種類に少しばかりヒネリが効いていた分、
赤の利き酒に関しては少し考えすぎるところが有りすぎたかも。

今回のF氏のセレクション、最後にご自身で総括されていたように、
「ミネラル感」を第一に、そして「酸と果実味のバランス」から
産地を探るということを仰っていました。
このミネラル感という評価はとても難しいのですが、
私自身は、酸と果実味のバランスや
タンニンの質感を先に判断材料にしていたので、
この辺りはお話は、レジメも含めて非常に参考になりました。

また「世界の」というお題が着いていましたが、
この「世界」をどのように区別するかもその人の考え方によると思います。
百科全書のごとく網羅的になると面白くなくて、
そこに斜めに入り込む切り口があると興味深くなると思います。
最後にはそうはならなかったのですが、
途中で思い当たったのは、
もしかしてF氏は、欧州のものしか選んでいないのでは、
等と考えてしまいました。
「世界のピノノワールの縮図はヨーロッパで表現することができる」
みたいな所ですね。
旧世界と新世界の二項を、別の枠組み(旧世界)の中に還元し、
一般的な先入観を解体してみせるといった、
少しばかりシニカルなことを狙っているのではと考えてしまいましたが、
F氏はそれほど意地悪ではなかったという、
和やかなブラインドワイン会でした。

改めて、お疲れさまでした。

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