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大和のどぶ生もと純米原酒2007 [入荷予定]

200811

大和のどぶ生もと純米瓶燗原酒19BY 久保本家酒造(奈良県)

初霞生もと純米吟醸酒17BY

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奈良県宇陀市にある蔵元、久保本家の順平専務にご来店いただきました。
あいかわらず、飄々とされたお人柄です。
生もと仕込みで造ったドライなにごり酒、「どぶ」で一躍有名銘柄となりましたが、
お酒造りに関しては、至ってシンプルな姿勢を貫いています。

米は山田錦とアキツホがほとんどで、今年は少し美山錦を使うそうです。
酵母も特別なものは用いず、とても地味な感じがします。
ワイン醸造と違い途中の操作が多い日本酒造りは、新しい米や酵母を用いるよりも、
基本的なことをもっと洗練、追求すべきだとおっしゃいます。

今ある姿の日本酒造りの祖型は、室町期に現れます。
徳川幕府時代に江戸積みによる下り酒の興隆により、
生もと造りや三段仕込みといった基本的な完成を見るわけですが、
現代にも更なる進歩を重ねてきています。
速醸もとによる酒毋造りや協会酵母の分離と配布等、
明治期から大正期に掛けてはより安全な醸造を目指すものです。
昭和初期の太平洋戦争前後には、
醸造アルコール添加による安価なコストでの醸造が目指されてきました。
現在の日本酒醸造は更なる進化を遂げていて、
サーマルタンク等による温度管理や新しい酒米や酵母の育成、
あるいは物流条件の発達により低温での配送が可能になり、
口に出来る日本酒の品質は飛躍的にアップしています。

美味しいお酒を手に出来るという意味では、
ノスタルジックに過去の造りの方が人の温かみがあって良かった等と言う主張は、
決して当てはまりません。
機械に頼るわけではなく、データや数値の裏付けにより
造りの再現性を高めていくことは大切であって、
五感を訓練することは重要ですが、人の感性は人を騙します。

何だか話しが横道にそれましたが、
手造りだから、機械よりも美味しいという議論はナンセンスです。
同じことをし続けるという点においては、
機械は人の手に勝るのであつて、
同じ条件で酒造りが行われることは決して無いと言う点においてこそ、
人の手は機械に代えることが出来ないのです。

造りの季節に久保さんの所を訪問したことがないので、
この冬はぜひ伝説の杜氏の手を見にいきたいと思っています。

大和のどぶ生もと純米瓶燗原酒 久保本家酒造(奈良県)
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