初霞

20101026

初霞純米酒遊
　　　久保本家酒造(奈良県宇陀市)



今朝は随分と冷え込みました。
私は夏でも燗酒を飲みますが、皆さんはいかがでしょう。

お燗のお酒は身体に優しいのをご存知でしょうか。
冷たい飲み物は身体に吸収されるまで時間がかかります。
冷たくしたお酒はゆっくりと酔うのではなく、
酔ってないと思っていると突然に深い酔いがやってきます。
お燗したお酒は、胃の分泌液の代謝も促進させ、食欲が増進し、
より食中酒としての機能が効果的に作用します。
程よい米の旨味成分が、食べ物の美味しさを膨らませてもくれます。

この久保本家酒造さんお純米酒は、
穏やかな熟成香と円みを帯びた酸味があり、
そして余韻に膨らみのある旨味を残してくれます。

このお酒が案内された文言に「自然発酵」という言葉がありました。
蔵元でも色々と賛否があったようですね。
「自然」とはどのような物、状態なのでしょうか？
人工でないこと、非人間的である事、自然と人間は対立するものなのでしょうか。
あるいは、人間は自然な存在ではないのでしょうか。
この問いは重いですが、重いからこそ避けてはいけない問題です。
人の営みが自然な状態であるには、どうあるべきなのでしょうか。

そんな思索を巡らせながら盃を傾けてみる秋の夜長のひと時です。

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