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玉川 [入荷予定]

20101120

玉川自然仕込山廃純米無濾過生原酒

夏越し常温熟成2009BY

木下酒造(京都府京丹後市久美浜町)


DSCF2107.jpg

 無濾過生原酒、そして常温熟成という恐ろしい文字が踊っております。通常であれば、火入しない生のお酒は冷蔵で保存することが必要で、ほぼ鉄則です。ある程度の濾過で酵母は除去できていますが、それらよりも微細な酵素等は除去されず活性したまま含まれていますので、味わいが変化して行きます。火入と呼ばれる加熱処理することでお酒の味わいは一つの区切りを迎えます。生のお酒を出荷することは、言い換えれば半製品のままで手元に届くと言えるかもしれません。

 しかしながら、一つの考え方として、お酒には熟成による変化という神秘があります。若いうちはただ渋くて、そして薄っぺらで、ちゃんと造られてはいても少しも美味しくはなかったものが、一定期間の貯蔵を経て角が取れ味がのり、あのお酒がこれほど迄に変わるのかといったような経験は少なくありません。熟成という魔法をかけることが可能なのが、お酒の魅力の一つです。

 ハーパーさんのこのお酒は、新酒の時は完全発酵とも銘打たれ、21.5%の高いアルコール分を含んでいました。もともと山廃仕込を行い酵母を添加せずに醸造した、ストラクチャーが確りとしたお酒でしたので、強い押しのある飲み口でしたし、熟成により変化を広く受け止めれるスケールの大きなお酒だったとは思いますが、一夏を越す常温熟成となると話しは別です。特に今年の猛暑でしたしね。

 出来上がったお酒は、開けたてだと、キノコや森の樹々の香りのような、少し湿り気を含んだ樹木の様な香りがします。グラスに入れ時間が経つと、もう少し若い早朝の朝露を含んだような草花の香りに変わります。味わいはシナモンやスパイスのようなぴりりとした辛さを仄かに伴いながら、酸に鋭利さはあまりなく、ゆったりとした厚みのある旨味がじわりと膨らみます。余韻にはマスタードを感じさせる辛味が残りますが、以外に爽やかな印象です。最初に生老ねた様なニュアンスを感じないわけではないですが、納豆や糠漬けと同じで、一度その匂いをかいで身体に取り込んでしまえば、気にはならない香りといえます。

 ややマニアックなお酒ですが、先入観を持たずに向かいあうと、日本酒の世界を広げてくれそうです。

 お買い求めはこちらからになります。



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