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静岡 [日誌]

20120311

英君

静岡県静岡市清水区由比


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 今年も静岡シリーズに行ってきました。
 昨年同様に天気に恵まれ、充実した二日間でした。

 皮切りはやはりこの蔵元、由比の若大将である望月裕祐さん達が醸す「英君酒造」さんです。


 関西から電車で来て蔵がある由比の駅に降り立つと、進行方向の山間にはちょうど富士山が顔を出します。右手を見やると駿河湾がせり上がるようにして望め、この街が山海に囲まれた自然豊かな風土を有することが実感できます。
 由比の街は東海道の宿場町の一つであり、往時を偲ばせる古い町並みがあちらこちらに残っています。散策には持ってこいの風情があり、また一度は訪れてみたい広重美術館もあるのですが、いつも駆け足の訪問となっております。
 今回も後ろ髪を引かれつつ、英君酒造さんがある山の中腹を目指します。
 
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 由比の駅からは車で10分程の山間に蔵は建ちます。
 由比の街では民間の水道組合があり、山からの湧き水をくみ上げ各家庭の生活用水がまかなわれています。もちろん有料とはなりますが、通常は官が行うインフラを市民で支えている社会は素晴らしいと思います。環境に対する市民意識も高まりそうですね。

 英君酒造さんでもこの水をお酒の仕込に用いています。そのままでも十分に醸造適正はあるのですが、大きなタンクの中で一旦霧状に噴霧して、水分中に含まれる鉄分を酸化させ更に濾過を行っています。蔵主の望月さん曰く「うちの心臓部です」とおっしゃっています。
 英君さんのお酒がなめらかな飲み口となる秘訣ですね。
 
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 ちょっとピンぼけですが、若大将のヒデさんです。
 白墨の字では給水等のデータが細かく書かれています。

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 一部で機械化はなされていますが、結局は人の手で管理をしないと良い物はできません。

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 地元の琺瑯屋さんでしょうか、関西ではあまり見かけません。

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 蔵では仕込は終盤戦、まだまだ大吟醸の上槽が残っているので気は抜けませんが、寒さが緩み始めるこの時期になると、どこかしらほのぼのとした空気感が漂います。

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 ちょうど搾れたばかりの、青の英君と緑の英君の生原酒を利き酒させていただきました。

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 英君酒造さんのお酒は、穏やかな吟醸香を纏い、酸も柔らかな飲み口が特徴です。また、生酒でも鈍重な甘み等を感じさせない、口中を滑るような爽やかさがあります。海の幸をそのまま頂くには持ってこいの酒質ですが、ついつい飲み過ぎてしまいがちな罪作りなお酒でもあります。

 英君酒造さんでは今年から長年勤めた杜氏さんが引退し、当たらしスタッフで造りにあたっています。新しく杜氏となった粒来保彦さんは、蔵主である望月さんと同い年であり、お酒造りに関しても貪欲に新しいことにチャレンジしていってくれることでしょう。
 今後がますます楽しみです。


 英君酒造さんのお酒の案内はこちらからになります。



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