2017ベストバイ [入荷予定]
明けましておめでとうございます。
旧年中は様々な方々にお世話になり有難うございました。
今年も色んな場面で関わることがあるかと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
〜ベストバイ&雑誌掲載情報〜
ここ数年はしてなかった取り扱いのお酒から2017年のベストバイをピックアップしてみました。何れもお燗で飲んで欲しいお酒になっています。
また、先月末に発売をされた『あまから手帖』さんの日本酒特集でも同じお酒を推薦しています。合わせて報告をさせてください。
いづみ橋生酛純米酒茜黒蜻蛉27BY 3500円
杉錦純米吟醸酒27BY 3500円
睡龍生酛のどぶ28BY 3050円
辨天娘純米生酛強力26BY 3421円
扶桑鶴純米吟醸青ラベル28BY 2900円
いづみ橋さんの黒蜻蛉シリーズは生酛造りのお酒を火入れ熟成させたもので、既に山田錦と神力が発売をされています。今回のリリースは満を持しての自社栽培による亀の尾を使ったお酒になります。生酒の詰口では毎年の新酒となるとんぼラベルで発売をされていましたが、火入れヴァージョンは二夏をしっかり貯蔵してからの出荷です。香りはいづみ橋さんのお酒の特徴となる穀物由来のニュアンスが控えめに感じれれます。口に含むと滑らかでいながら充実感のある舌触りがあって、少しカカオを思わせるようなロースト感が鼻腔に抜けていきます。後味に向けてしっかりと酸がもたらされますが熟成も掛かり纏まりのある旨味となって余韻に抜けていきます。生酛造りを採用するようになったいづみ橋さんのお酒は味わいに繊細さが加わり以前からあった力強さと共に品やかな仕上がりに昇華をしています。
杉井さんの純米吟醸酒は生酛造りと速醸で仕込んだお酒をブレンドしており、どちらも静岡酵母HD-101を添加したものになります。例年は醸造年の切り替わりが早く一夏越えでしか案内をできないところなのですが、今回は二夏を過ぎたお酒ということもあって紹介をしました。火当てが瓶燗をしているので一年程度の貯蔵では火冷め香が少し気になりますが二年近くなってきて温めた時に穏やかな吟醸香が鼻に抜けてきます。あまり高くない45℃ぐらいまでの温度で楽しんでください。
杉井社長は生酛造りでも静岡型の端麗な吟醸酒を醸すことができるのではと吟醸酵母を使った生酛造りに挑戦をしています。生酛と吟醸はすれ違う方向性ではないかとも言われもするので、杉井さんの取り組みはどっちつかずではとも言われていますが、私は社長の取り組みを共感をもって支持しています。生酛造りは味わいに酸を出すための方法と捉えられ多酸な仕上がりになると思われがちですが、最近の研究からは速醸よりも端正なお酒になると報告がなされています。この辺りは菊正宗さんのホームページにその成果報告があります。
生酛のどぶは何時も美味しい、何度でも美味しいお酒です。今回は雑誌掲載にあたって新しいお酒をと言われていたのですが、一般の飲み手の方々にとってはまだまだ濁り酒を温めて飲むというのが知られていないようで、編集者の方に少し無理を言って推薦をさせてもらいました。記事内容では脱線をした飲み方を提案していますが、やはり普通にお燗で飲むのが美味しいです。割り材などを使った提供は食卓を賑やかにする試みとして楽しんでもらえれば有難いです。
辨天娘のお酒は何度でも繰り返しますが、全て蔵のある若桜で育てられたお米で仕込んでいて、契約農家さんと自社が栽培したお米をそれぞれの生産者毎に仕込む取り組みをしています。今回に紹介したお酒の原料米である強力は杜氏の中島敬之さんによるものになります。昨秋の九月に圃場見学をさせてもらったのですが、中島杜氏の管理する田圃がとても美しく、まるで綺麗に整頓をされた仕込み蔵の佇まいのようでした。他の方の田圃もいい加減ではないのですが、中島杜氏の強力が大地から伸びる凛とした姿がとても印象に残っています。このお米から出来たお酒を飲んでみたいと思わせる風景を胸に刻めましたし、その取り組みの行く先に関わり見ていたいと思わせてくれました。
扶桑鶴の青ラベルは山田錦と佐香錦を協会7号酵母で仕込んだ、この蔵の純米吟醸としては精白を高く設定しやや香りを感じさせるスタイルが以前のものでした。ただ、一昨年あたりからでしょうか、香味の立ち上がりが以前よりも穏やかになって温め時の酸のほぐれ具合と含んだ時に余韻に抜ける香りがバランスが長く綺麗にまとまるようになっています。
ベストバイはいつも6本を取り上げるのですが、今回は5本になっています。時点候補がいくつかあって取り上げておきます。
日置桜八割搗き雄町ver.まめ農園27BY
無窮天穏山陰吟醸生酛造り五百万石28BY
櫛羅純米一火原酒28BY
日置桜さんのまめ農園さんの雄町を使ったお酒が眼を見張る美味しさだったのですが、数量が限定のため当店では取り扱いができずでした。
また天穏さんの新しいシリーズもとても素晴らく、特に今年は無添加の酵母が9号系が湧き着いたようですが、私はこちらの方が酸に柔らかみがあって早飲みをするにはとても良いと思いました。
櫛羅は直汲みをした生原酒が注目をされがちですが、火入れも素晴らしいのです。冷たくして飲めば吟醸を思わせる端正さがありますし、温めると熱くしなくてももたつくような甘みを感じさせず後味の捌けも良いです。
更に生酒も幾つか取り上げます。
唯々特別純米無濾過生原酒玉栄28BY
彩葉純米吟醸無濾過生原酒美山錦28BY
都美人山廃純米無濾過生原酒山田錦28BY
唯々は滋賀県湖南市にある竹内酒造さんのブランドです。新しく若い杜氏も就任してメキメキと酒質アップです。特にこの年からは泡なし7号酵母で仕込んで味わいにメリハリが加わっています。優等生なバランス良さが持ち味ですが、今後も楽しみです。
彩葉は今季からはリリースがありませんが、28BYの美山錦はとても良かったです。熟れた酸とクリアな甘みが元来の力強さが下支えになった素晴らしいお酒です。
都美人さんの山廃は山田錦を使ったお酒が酸と甘みのバランスがよく充実した果実感を味わえました。生酒が春の予約で完売をするので今年は早めに数量を確保してしっかりとご案内をしたいです。
http://sakebox.ocnk.net
#いづみ橋 #杉錦 #生酛のどぶ #辨天娘 #扶桑鶴 #泉橋酒造 #杉井酒造 #久保本家酒造 #太田酒造場 #桑原酒場 #亀の尾 #静岡酵母 #睡龍 #若桜 #あまから手帖
旧年中は様々な方々にお世話になり有難うございました。
今年も色んな場面で関わることがあるかと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
〜ベストバイ&雑誌掲載情報〜
ここ数年はしてなかった取り扱いのお酒から2017年のベストバイをピックアップしてみました。何れもお燗で飲んで欲しいお酒になっています。
また、先月末に発売をされた『あまから手帖』さんの日本酒特集でも同じお酒を推薦しています。合わせて報告をさせてください。
いづみ橋生酛純米酒茜黒蜻蛉27BY 3500円
杉錦純米吟醸酒27BY 3500円
睡龍生酛のどぶ28BY 3050円
辨天娘純米生酛強力26BY 3421円
扶桑鶴純米吟醸青ラベル28BY 2900円
いづみ橋さんの黒蜻蛉シリーズは生酛造りのお酒を火入れ熟成させたもので、既に山田錦と神力が発売をされています。今回のリリースは満を持しての自社栽培による亀の尾を使ったお酒になります。生酒の詰口では毎年の新酒となるとんぼラベルで発売をされていましたが、火入れヴァージョンは二夏をしっかり貯蔵してからの出荷です。香りはいづみ橋さんのお酒の特徴となる穀物由来のニュアンスが控えめに感じれれます。口に含むと滑らかでいながら充実感のある舌触りがあって、少しカカオを思わせるようなロースト感が鼻腔に抜けていきます。後味に向けてしっかりと酸がもたらされますが熟成も掛かり纏まりのある旨味となって余韻に抜けていきます。生酛造りを採用するようになったいづみ橋さんのお酒は味わいに繊細さが加わり以前からあった力強さと共に品やかな仕上がりに昇華をしています。
杉井さんの純米吟醸酒は生酛造りと速醸で仕込んだお酒をブレンドしており、どちらも静岡酵母HD-101を添加したものになります。例年は醸造年の切り替わりが早く一夏越えでしか案内をできないところなのですが、今回は二夏を過ぎたお酒ということもあって紹介をしました。火当てが瓶燗をしているので一年程度の貯蔵では火冷め香が少し気になりますが二年近くなってきて温めた時に穏やかな吟醸香が鼻に抜けてきます。あまり高くない45℃ぐらいまでの温度で楽しんでください。
杉井社長は生酛造りでも静岡型の端麗な吟醸酒を醸すことができるのではと吟醸酵母を使った生酛造りに挑戦をしています。生酛と吟醸はすれ違う方向性ではないかとも言われもするので、杉井さんの取り組みはどっちつかずではとも言われていますが、私は社長の取り組みを共感をもって支持しています。生酛造りは味わいに酸を出すための方法と捉えられ多酸な仕上がりになると思われがちですが、最近の研究からは速醸よりも端正なお酒になると報告がなされています。この辺りは菊正宗さんのホームページにその成果報告があります。
生酛のどぶは何時も美味しい、何度でも美味しいお酒です。今回は雑誌掲載にあたって新しいお酒をと言われていたのですが、一般の飲み手の方々にとってはまだまだ濁り酒を温めて飲むというのが知られていないようで、編集者の方に少し無理を言って推薦をさせてもらいました。記事内容では脱線をした飲み方を提案していますが、やはり普通にお燗で飲むのが美味しいです。割り材などを使った提供は食卓を賑やかにする試みとして楽しんでもらえれば有難いです。
辨天娘のお酒は何度でも繰り返しますが、全て蔵のある若桜で育てられたお米で仕込んでいて、契約農家さんと自社が栽培したお米をそれぞれの生産者毎に仕込む取り組みをしています。今回に紹介したお酒の原料米である強力は杜氏の中島敬之さんによるものになります。昨秋の九月に圃場見学をさせてもらったのですが、中島杜氏の管理する田圃がとても美しく、まるで綺麗に整頓をされた仕込み蔵の佇まいのようでした。他の方の田圃もいい加減ではないのですが、中島杜氏の強力が大地から伸びる凛とした姿がとても印象に残っています。このお米から出来たお酒を飲んでみたいと思わせる風景を胸に刻めましたし、その取り組みの行く先に関わり見ていたいと思わせてくれました。
扶桑鶴の青ラベルは山田錦と佐香錦を協会7号酵母で仕込んだ、この蔵の純米吟醸としては精白を高く設定しやや香りを感じさせるスタイルが以前のものでした。ただ、一昨年あたりからでしょうか、香味の立ち上がりが以前よりも穏やかになって温め時の酸のほぐれ具合と含んだ時に余韻に抜ける香りがバランスが長く綺麗にまとまるようになっています。
ベストバイはいつも6本を取り上げるのですが、今回は5本になっています。時点候補がいくつかあって取り上げておきます。
日置桜八割搗き雄町ver.まめ農園27BY
無窮天穏山陰吟醸生酛造り五百万石28BY
櫛羅純米一火原酒28BY
日置桜さんのまめ農園さんの雄町を使ったお酒が眼を見張る美味しさだったのですが、数量が限定のため当店では取り扱いができずでした。
また天穏さんの新しいシリーズもとても素晴らく、特に今年は無添加の酵母が9号系が湧き着いたようですが、私はこちらの方が酸に柔らかみがあって早飲みをするにはとても良いと思いました。
櫛羅は直汲みをした生原酒が注目をされがちですが、火入れも素晴らしいのです。冷たくして飲めば吟醸を思わせる端正さがありますし、温めると熱くしなくてももたつくような甘みを感じさせず後味の捌けも良いです。
更に生酒も幾つか取り上げます。
唯々特別純米無濾過生原酒玉栄28BY
彩葉純米吟醸無濾過生原酒美山錦28BY
都美人山廃純米無濾過生原酒山田錦28BY
唯々は滋賀県湖南市にある竹内酒造さんのブランドです。新しく若い杜氏も就任してメキメキと酒質アップです。特にこの年からは泡なし7号酵母で仕込んで味わいにメリハリが加わっています。優等生なバランス良さが持ち味ですが、今後も楽しみです。
彩葉は今季からはリリースがありませんが、28BYの美山錦はとても良かったです。熟れた酸とクリアな甘みが元来の力強さが下支えになった素晴らしいお酒です。
都美人さんの山廃は山田錦を使ったお酒が酸と甘みのバランスがよく充実した果実感を味わえました。生酒が春の予約で完売をするので今年は早めに数量を確保してしっかりとご案内をしたいです。
http://sakebox.ocnk.net
#いづみ橋 #杉錦 #生酛のどぶ #辨天娘 #扶桑鶴 #泉橋酒造 #杉井酒造 #久保本家酒造 #太田酒造場 #桑原酒場 #亀の尾 #静岡酵母 #睡龍 #若桜 #あまから手帖
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