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静岡の最終章 [杉井酒造]

杉錦

杉井酒造(静岡県藤枝市)



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 そして、静岡の最終章は杉井酒造さんです。

 今回はこの後に菊川にある森本酒造場さんにも立ち寄ったのですが、森本社長が照れ屋なのもあってレポートは割愛します。

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杉錦 [杉井酒造]

20100204

杉錦純米吟醸酒2008 杉井酒造(静岡県藤枝市小石川町)

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以前のままのラベルですが、中身は大変身しています。
何と、速醸もとから生もと造りのお酒に変わっています。

酒毋造りの違いは乳酸添加の有無によるものですが、
ラベルへの記載は任意事項になりますので、それを謳う必要はありません。
ですので、速醸もとのお酒と生もと造りのお酒は、
他のスペックが同じであれば、同じラベルで構わないことになります。
含み笑いをしている杉井社長が思い浮かびます。

実際の香味はというと、
香りは以前と変わらぬもので、静岡酵母らしい穏やかな吟醸香で、
メロン等の瓜系の香りを基調とし、ほのかな乳酸系のヒントがあります。
口に含むと、微かな甘みを感じた後は、舌全体が滑らかな旨味に覆われます。
まるでメロンシャーベットが口の中でほどけていくようです。
余韻に辛味のある酸が残ります。
冷やした物であれば、体温に近づくにつれ、徐々に膨らみのある米の旨味が広がります。
生もとであることをそれほど主張はせず、
基本的には静岡型の穏やかな吟醸酒ですが、
辛味のある酸はそれとは違う個性を主張しています。
熟成による味のりが必要だとはいえますが、
高い温度での飲用であれば、若いうちから美味しくいただけます。

スゴイです。

入荷仕立ての2008BYはこちらからです。


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杉錦 [杉井酒造]

20100110

飛鳥山純米味醂 杉井酒造(静岡県藤枝市小石川町)


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大正時代から製造を始めた杉錦の味醂です。
地元の焼津港で水揚げされる水産物を練り製品にするための需要に応えるべく、
製造を始めたそうで、現在も静岡県の味醂製造業者は杉井酒造さんのみです。
使用する麹用の粳米、餅米は80%まで精米しています。
添加する焼酎も、米と麦を原料に自ら蒸留したものを使用してします。
こちらが現在稼働している蒸留器です。

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出来上がった味醂は、火入せず活性炭も未使用のまま瓶詰めされ、
2〜3年程の熟成をした後、出荷されます。
お味の方は、濃厚ですが、熟成香は少なく、とてもクリアです。
そのまま飲んでも美味しいですし、
梅酒用ベースとしてもお使いできます。

そして味醂ようの蒸留酒造りがこうじて、芋焼酎も製品化したのがこちらです。

芋焼酎才助 杉井酒造(静岡県藤枝市小石川町)


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静岡県産の紅アズマを主原料に、清酒用黄麹で醸します。
黄麹菌はクエン酸を生成しないので、乳酸を添加する速醸もとで一次もろみを仕込みます。
酵母は静岡酵母を使用し、二次もろみは摂氏20度くらいで熟成させます。
蒸留は蛇管を使った常圧蒸留です。
驚きなのは、もろみ取りの焼酎ではなく、
何と槽で搾った後に蒸留する粕取焼酎です。

味は、香りにはほのかなエステル香があり、甘味は控えめ、
酸味は穏やかで、余韻はシャープな仕上がりです。

低温で発酵させているのと、液体を蒸留しているのとで、
全体に癖がなく、穏やかな飲み口です。

味醂はこちらからです。
焼酎はこちらからです。

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杉錦 [杉井酒造]

20100107

杉錦生もと特別純米酒 杉井酒造(静岡県藤枝市小石川町)


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もう一つの杉錦のレギュラーラインが、こちらのお酒になります。
だいたい90%から100%、静岡県産の山田錦を使用して仕込んでいます。

こちらのお酒は、一部中取りをした原酒を、しぼりたてとして出荷しています。
それが加水されて瓶火入され、こちらのお酒となります。

新酒としても早いうちから美味しく飲めるようにと、
少し吟醸香が出る静岡酵母を使用しています。
生もと造りをするのだから、6号酵母か7号酵母で仕込んでもいい感じですが、
生酒を出さない杉井酒造流では、このスタイルとなります。

こちらのお酒も初めての仕込みから数年間は思考錯誤でしたが、
ここ数年間は、日本酒度が+4前後、酸度は1.8前後となっています。
出来上がった複数のタンクを合酒します。

香りはメロンや若いバナナの果実香がり、
甘味をしっかりと感じます。
酸味は、コクが有るというよりも、乳酸系の爽やかな酸味が広がる感じです。
この辺りは冷やしても生きる酸味ですね。
香りが味わいによく溶け込んでいるので、余韻に瓜系のニュアンスが続きます。

お燗のお酒としてお勧めですが、
夏場に少し冷やしても、甘味と酸味のバランスが楽しめます。
カツオやマグロ等の赤身のお魚と、
鰤を塩焼きしたものや塩で味付けした焼き鳥等、
春から夏に掛けてのお野菜を使った料理、
筍、蕗、アスパラガス、トマト、キュウリ、茄、
灰汁の有るお野菜を調理したものが食べたくなりますね。

お買い求めの方はこちらからです。
今年の新酒はこちらになります。







杉錦 [杉井酒造]

20100105

杉錦山廃純米酒玉栄 杉井酒造(静岡県藤枝市小石川町)


まずは飲んで頂きたいのがこちらのお酒です。
私が杉井酒造さんとの出会ったお酒でもあります。

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2002年に初めて立てた山廃酒母は米焼酎用のもろみに使ったそうです。
そしてその翌年から本格的に清酒として商品化しました。

当初は速醸純米酒のスペックと同じで、
滋賀県産玉栄を55%精白していました。
2年目からの仕込みから微調整されます。
7号酵母と静岡酵母を併用した時期もありました。
酸の出し具合や、日本酒度の数値も毎年のように変わりました。
最終的にここ数年の傾向としては、
精白を60%にし、酵母は泡無しの7号酵母を単独で使用、
メーターは+3〜4程度、酸度は1.6前後に落ち着いています。
毎年2本程同じスペックで仕込むそうですが、
別々で商品化していたのを、レギュラー酒として定着させるため、
合酒してから瓶詰めするようにしたそうです。

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使用する滋賀県産玉栄は減農薬栽培されたもので、
岩手県の業者から購入しています。
玉栄の性質として、米が硬く溶けにくい傾向にあり、
ゆっくりとしたもろみ経過をたどりやすいようです。
瓶はリターナブルのものを使用しています。

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以前も書きましたが、杉井酒造さんでは基本的に生酒は出荷しません。
また、瓶火入を基本とし、活性炭もほとんどのお酒で未使用です。
生のお酒を楽しめるのは良い事ですが、
それを基本とするのは色々と無理があるのではとも思えます。
温暖化問題を含めた環境へのコスト負担を考えると、
日本酒における火入の重要性を改めて認識されます。

香りは、マスカット葡萄を思わせる果実香が基本にあり、
蜂蜜の様なヒントもあります。
口に含むと、焼き栗のような芳ばしさっを伴った甘味を感じ、
よく熟れた南国果実のような酸味が広がります。
合わせたい食事はごく普通の家庭料理がいいです。
繊細な料理ではなく、気取らない料理で、
ただそれほど味付けの濃く無いものが良いです。
市販のウスターソースや掛けたようなコロッケやトンカツ、
普通の中華料理との相性もよさそうです。
八宝菜や酢豚、ニラ炒め、オイスターソースを使ったもの等、いかがでしょうか。

お買い物を考えの方はこちらからどうぞ

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杉錦 [杉井酒造]

杉錦を醸す杉井酒造さんは、静岡県藤枝市小石川町に広がる住宅街の一画にあります。
創業は天保13年、西暦でいうと1842年となり、およそ170年の歴史を持ちます。
現当主である杉井均乃介氏で6代目にあたります。

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使用するお米は、兵庫県産と静岡県産の山田錦を中心に、
滋賀県産の玉栄や地元の酒造好適米である誉富士、
その他には、あいちのかおりやひとめぼれといった飯米も用います。
仕込水には、敷地内にある井戸水を使用しています。
現社長である杉井均乃介氏が杜氏を勤め、造りを専門にする蔵人が二人、
繁盛期には営業を主する社員と季節雇いの人が蔵に入って仕込みを手伝います。

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作業行程それぞれをが、丁寧な手作業で行われており、
洗米は特別本醸造酒クラスから10キロづつ小分けにして洗っています。
蒸しはボイラーを使った昔ながらの甑を使っています。
製麹も麹蓋を使った細かい手作業が前提にされる一方、
麹の力値を図る分光光度計が導入されていて、
科学的な数値の裏付けをするなど、臨機応変に対応しています。
生もと系酒母の育成はプレハブ冷蔵庫の中で行われていて、
使用される酵母は、静岡酵母と協会7号を中心にしています。
上層は特定名称酒クラスから槽を使って行われていて、
粕歩合の高い贅沢な搾りをしています。
一番のこだわりは、生酒を一切蔵出ししないことです。
活性炭はほとんどのお酒で使用していません。
糖類添加酒も無しで、特定名称酒のみの製造です。

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もともと静岡県らしい吟醸酒を中心とした造りをしていましたが、
2003年から山廃仕込、翌年に生もと造りを始め、
現在は7割近いお酒を生もと系酒母で仕込みます。
清酒の他に味醂も製造していて、
使う米焼酎は自社で蒸留するこだわりで、
最近では、その蒸留器を使った米焼酎や芋焼酎も製品化しています。

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製品構成として中心となるお酒は2種類で、滋賀県産の玉栄を使った山廃仕込と、
静岡県産の山田錦を使用した生もと造りの特別純米酒になります。
高価格帯のものとしては、生もと造りの純米大吟醸酒があり、
続いて速醸もとの純米吟醸酒になりますが、
これも生もと造りのものに移行する予定です。
速醸もとで仕込んだ大吟醸酒もありますが、
こちらは鑑評会出品のための意味合いが強いようです。
低価格帯のものとしては、飯米を使った山廃仕込の本醸造酒と純米酒があり、
特別本醸造酒は現在も速醸もとで仕込みます。

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