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櫛羅 [入荷予定]

20120115

櫛羅純米生原酒2011

千代酒造(奈良県御所市櫛羅)


櫛羅.jpg

 待ちわびたお酒が入荷してきました。
 2011年度櫛羅産山田錦を使用した純米生原酒です。

 ひとまず、お買い求めの方はこちらからになります。

 千代酒造さんでは「篠峯」のブランドとは別にもう一つ「櫛羅」の銘柄でもお酒を出荷しています。篠峯が様々な種類のお米や酵母を用いて多様なスペックのお酒を造り出しているのに対して、櫛羅のお酒では蔵人が育てた山田錦を使用して協会9号酵母のみで醸しています。出来上がるお酒は穏やかな吟醸香を纏った素直な味わいのお酒となっています。

 一昨年からは私も田んぼでの作業に参加させて頂きながら、ほんの少しだけ米作りからのお酒造りに関わらせてもらっています。
 このお酒に対する思いが深まるのは言う迄もありません。

 櫛羅のお酒を私なりの印象で表現するとするならば、「枯淡」という言葉を思い浮かべます。特にひと夏を越した火入酒には水墨画に見られるような枯れた品格というものがあります。情緒の抑揚が遠景へと退き、色の無い濃淡でもって切り取られる風景には、人と自然が織りなす営みの調和性を感じさせる世界感があります。
 櫛羅のお酒を醸していく姿勢には、人の手による“色付け”というものを廃し、稲や酵母といった他の生物の営みを自然な形で引き出そうとする、蔵主である堺さんの意図を感じることができます。

 社長杜氏を勤める堺さんは、北海道出身で蔵に入る前はワイナリーで働いていました。ワイン作りに置いては葡萄畑での仕事が大きな意味を持ちます。良い葡萄を手にすることが良いワインにとっては不可欠であるのに対して、日本酒造りにおいては使うお米の出来は葡萄程には影響を受けないといえます。しかしながら、蔵での作業では「麹」や「酵母」といった微生物の働きがより重要になってきます。違った形で自然の営みに働きかけているのです。
 あるワインの造り手の言葉に「自然の恵を汲み出す」といったような表現があります。良い日本酒造りにとっても同じで、人の手が万能なのではなく、作物や微生物がもたらす自然からの恩恵を拾い出してくるという謙虚な気持ちが必要なのかもしれません。

 今回の入荷はまだ火入を行っていない生原酒となっています。
 少し冷やして飲まれることをお勧めします。
 
 2011年櫛羅での記録です。
 <田植え><草引き><草引き><稲刈り



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