本坊酒造

20091224

貴匠蔵　本坊酒造(鹿児島県)



数年前に起った焼酎ブームでのキーワードの一つが黒麹でした。
温暖な九州南部での酒造りにはいつも腐造の危険が付きまといました。
清酒用の黄麹では難しいことが多く、
生酸の多い黒麹が用いられるようになりました。
黒麹はもともと泡盛造りに使用されていましたが、
クエン酸の生成量が多く、暖かい気候でももろみ管理を容易に行えます。
ただ、黒麹で造った焼酎はその酸が多いために、出来上がった焼酎が、
辛い、香味のメリハリが強いものになります。
黒麹の変異株である白麹は、黒麹程には酸を出さず、
味わいも比較的穏やかな、飲み飽きしないものになり、
ここ数十年間は主流の造りとして定着していました。

今回の焼酎ブームで黒麹が注目されましたが、
それはより個性ある焼酎をという観点から着目されています。
万人受けするものではなく、支持者は少ないかもしれませんが、
オリジナリティーが感じられるタイプが受け入れられたといえます。

本坊酒造さんの黒麹は、古典的な辛いタイプの黒麹焼酎に仕上がっています。
甘味は少なめですが、シャープな味わいになっていて、
どちらかと言えば、ロックか水割りで、
お湯割も低めの温度がよさそうです。

だらりと、ダレヤメするにはもって来いかもしれません。

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