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焼酎案内簡易版 その2 [お勧め]

20080406

焼酎案内簡易版があるなら、詳細版があるのかと突っ込まれそうですが、
あると想定して書いておきますので、あると信じて読んでくださいませ。

現在、うちの店でお勧めの芋焼酎をと言われたお客様には、
まずは鹿児島県にある本坊酒造さんのものをお勧めしています。

本坊さんが造る芋焼酎の第一の特徴は、黒麹造りによく現れています。
津貫で造られる貴匠蔵はその黒麹仕込みの特徴が、特によく出ています。

一般的に、芋焼酎には白麹黒麹が用いられるのがほとんどですが、
ソフトな白に対して、シャープな黒という風に分けられます。
黒麹の方が甘味が強く感じることができますが、
それは白麹に比べて強い酸味が焼酎に残るからで、
その酸が味の輪郭をはっきりとさせるのだと思います。
決して黒の方が甘口というわけではなく、特徴的な黒麹の焼酎は、
湯割をするとはっきりと解るのですが、辛味が際立ってしまいし、
やや飲みにくいものになります。

黒麹である貴匠蔵を温めて飲む場合はぬる燗くらいがいいと思いますし、
どちらかといえば低い温度で、シャープな酸味を楽しむのがいいかもしれません。

二つ目の特徴としては、屋久島の水を用いて造られた焼酎にあります。
一番手に入りやすそうな銘柄で言うと、太古屋久の島ですね。

この焼酎はちょっとした曰く付きで、うちの店で初めて取り扱い出してからの冬、
瓶の中で凄い量のフーゼル油が凝固したんです。
それこそ擦りおろしリンゴのもろもろみたいに液体中を浮遊してる状態で、
そのようなことがあるのは知ってはいましたが、あまりの量にちょっと心配になりました。
メーカーへ問い合わせをしたところ、屋久島の工場長さんからは
調査の上でちゃんとした返答が届いたので、一層本坊さんの焼酎への信頼は高まりました。
付け加えておきますが、焼酎に異常がなかったのは言うまでもありません。

メーカーとして当たり前のことなのですが、
場合によってはいい加減な対応をされる場合もあり、
先日も別の蔵元へ行ったの問い合わせで、納得のいかないものがありました。
そんな蔵の取り扱いは当然のことながらなくなっていくことになります。

その屋久島で造られた焼酎はそれだけのフーゼル油が凝固するくらいですから、
かなりの旨味を持ち合わせていて、雑味となる成分も沢山含んでいます。
ところが飲むと思いのほか、柔らかいんですよね。
特に湯割にすると膨らみのある芳醇な旨味が楽しめます。
口の中で雑味やアルコールがいらいらと暴れたりしません。
これは超軟水といわれる屋久島の水によるところが大きいのだと思います。
アルコール分25%の焼酎の75%は水ですから、当然といえば当然かもしれませんが、
水の味わいや性質はとても大切で、アルコールに円やかさを与えているのが、
この屋久島の水であるのだと思います。
加えて、この焼酎は先ほどいったソフトな酸味に仕上がる白麹で仕込まれています。
私が、芋焼酎の中で、それも湯割の定番として勧めているのが
この焼酎太古屋久の島です。

その他、本坊さんは屋久島からみで、2種類の芋焼酎を出しています。
津貫会という限定流通の商品となるのですが、
屋久の杜大自然林という芋焼酎です。
屋久の杜の方は、津貫で造った原酒を屋久島に持ち込みそこで加水調整されています。
太古屋久の島に比べ原酒そのもののレベルが落ちるのか、
黒麹で仕込まれてはいますが、ややパンチ不足が否めません。
湯割や水割りだと、少し物足りなさが残りますので、ロックがお勧めです。
初心者とはいいませんが、穏やかな芋焼酎をお望みの方にお勧めです。
一方、大自然林は、洗練度がより高まった屋久島の芋焼酎です。
当たりの柔らかさ、香りの膨らみ、バランスがとてもいいです。
湯割がお勧めなのですが、できればそれこそ割り水に使った水で湯割してみたいものです。
今の所は本坊さんサイドでも、水そのものの製品化は考えていないそうですが、
水の特性を謳う焼酎は、今後割水用の水の販売の検討は必要だと思います。





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