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焼酎案内簡易版 その3 [お勧め]

20080408

本坊さんの焼酎について続けます。

芋焼酎でもう一つお勧めしたいのが、年一回の蔵出しになる、
桜島黒麹原酒です。
限定販売といっても生産数はそこそこあって、
うちの店では秋にまとめて仕入れて、小出しで販売しています。

鹿児島県頴娃町耳原にある六地蔵園芸という農場で栽培された、
減農薬と有機栽培で育てられた黄金千貫を使用しています。
六地蔵園芸の福元さんという方が有名なさつまいもの生産者のようですね。
この焼酎は3600円程するのですが、原酒であることを考慮すると、
25°換算で2500円程になり、かなりコストパフォーマンスが高いと思います。
一年程の熟成を経てから出荷されるので、ガス臭もあまりなく、
円やかなさつま芋の甘味を味わえます。

ところでこの焼酎の裏レベルをみると
南薩摩・本格いも焼酎鹿児島県ふるさと認証食品
認証マークが添えられています。
これらは、業界の現状を反映した自主基準的要素が強くはあるのですが、
産地呼称制度にならった、生産者とその生産物、そしてその購入者を守るために、
基本的には奨励されるべき制度です。

後者の鹿児島県ふるさと認証食品とは、農林水産省によって勧められている認定制度で、
この鹿児島県の芋焼酎の場合は、
鹿児島県産さつまいもを主原料とした乙類焼酎であること。こうじは米こうじであること
となります。
米こうじという指定があるので、たまに見かける芋こうじだと駄目なようです。
この制度をバックアップしているのが農林水産省であることを考える頷ける話で、
日本のである米は必ず使いなさいということでしょうか。
マークのモチーフとなっているEマークは、Excellent(優れた品質)、Exact(正確な表示)、
Ecology(地域の環境と調和)の3Eを表現しているそうです。
こういった耳障りの良い言葉を並べられると、ちょっと引いてしまいます。

もう一つの南薩摩・本格いも焼酎という認証マークは、
知覧税務署と指宿税務署の管轄にある焼酎メーカー16社が主体となっているもので、
それぞれの酒造組合から選出された6名の委員会で審査、認定を行います。
あげ足をとるわけではないですが、何と認定を受ける生産者の組合により選出された者が、
認証マークを発行するというかなり微妙なものです。
このような制度自体を否定するわけではないですが、
少し距離をとって見ていく必要があるでしょうね。
結局の所、このような産地呼称制度そのものは、
選別と排除の構造をもっているわけですから、
ちょっと裏側を見てみると、制度を通じて利益を得るものが明確になります。
こちらの認定条件そのものは、
米こうじ又は芋こうじと鹿児島県産さつまいも、鹿児島県内の水を原料として発酵させたもろみを、南薩摩において単式蒸留機で蒸留し、かつ容器詰めされた本格焼酎であり、水以外の添加物を一切含まないもの。(南薩摩の自社工場で製造した焼酎を、他地域の県内自社工場で詰める場合は、その表示を認める。)
となっています。
例えば、人気銘柄の一つである○●錦等は、鹿児島産以外のさつま芋の使用があり、
ラベルを見ると認証マークの表示はなく、
今後の規制を通じては、ラベルにさつま焼酎の表示をできないとか、
それこそ芋焼酎イコールさつま焼酎なんて認定があると、
芋焼酎とさえ表示出来ない時代が来るやもしれません。
こちらは芋こうじを認めているので、先ほどの農林水産省のものと比べてみると、
このような認定制度そのものが、当の認定されるものを取り巻く民と官、
そして政との綱引きによる、あくまで恣意的なものであるということです。
更に付け加えておきたい点として、使われる米こうじ、つまりお米は、
鹿児島県産である必要がないというのもあげておきたいと思います。
農協等政治力の影響が強いのでしょうか、
米は産地指定をするのはとても難しいようですね。
以前取り上げたWTO認定を受けている球磨焼酎でさせ、
県外の米の使用が認められています。
この件に関しては、鹿児島県酒造組合に電話で問い合わせたのですが、
あまり良い対応はされませんでした。
まぁ、気持ちは解るのですが・・・。

もう一つ、壱岐、琉球、球磨に続いてようやく第四の産地指定として認定を受けた
薩摩焼酎の表示についてですが、
少し長くなりましたので、また次回に続きます。
何だか、またまた日記ではなくなってきました。
このネタは普通の一期一会の方でやった方がよかったかもしれません。
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