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感動する力 [日誌]

20081006


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昨日は、篠峯の蔵元利き酒会で、奈良県御所市に行ってきました。
道中、日本酒ゴーアラウンドの参加店主さんと偶然にばったり。
とはいえ、彼女のお店も篠峯ファンですので、さもありなんです。
駅から蔵までのタクシーをご一緒して、お勘定をシェアさせていただきました。

この日は、ざっーと全部あたった後に、気になるお酒を再試飲しました。
その際に、プラコップにいれた水で口をすすぎ、一回、一回、舌をリセットしてみました。
飲み込まずに吐き捨てるのも基本ですが、
更に手間がかかりましたが、お酒を利くことにおいてはより適切でした。
連続して口にしたお酒が、いかにその前に飲んだお酒の影響下にあるか、
あらためて実感できたのと、堺さんのお酒の持つ上質な甘味を再確認です。

毎年、着実に酒質アップの篠峯&櫛羅ですが、
火入酒の状態が特に素晴らしいです。
雄町純米大吟は断然火入の方がいいです。
愛山純米大吟も、生酒の時にあった優しいええ氏のお嬢様な味わいから、
小股の切れ上がる姉御なお酒に変身していました。
櫛羅純吟も火入の枯淡な味わいがいいです。
墨を引いたように真っすぐ伸びていく余韻が素晴らしい。

堺さんが醸すお酒は、着実に進化、完成の域に近づいていると思います。
完璧なお酒になる、あるいは改善する余地が無くなるというわけではないですが、
ある意味、一つの段階をクリアしつつあるのだと思います。

また、後日に櫛羅の会で語っていただいた堺さんのお話をアップしますが、
その内容から伺えるのは、造り手としての彼の仕事に対して、
私たち飲み手の方からのリアクションを求めているような感じを伺えました。
ただ、私自身は、堺さんのお酒から、
以前感じていた程の感動を受けなくなってきているような気がしています。
決してお酒に何かしら足りないものがあるのではなく、
どうやら私自身の方に問題がありそうです。

年々、お酒を利く力、一般論としての善し悪しを判断する能力は
身に着いてきているとは思うのですが、
出会ったお酒に感動する力が、衰えているような気がします。
買い手であるお客様に受けるかどうかみたいな所でお酒に向かい合っていて、
自分自身が飲んだお酒から感銘を受けることが減りつつあるような感じです。

良きテイスターであることは、
点数やまるバツでお酒を評価するだけではないと思っています。
その意味では、感動する力を、もう一度自分の中に呼び戻す必要がありそうです。





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井上酒店

非常に興味深く読ませて頂きました。つーたんさんとは、この間も席が離れていたので、殆ど話が出来ずでしたが、blogを読ませて頂いた感じでは、非常に素晴らしいテイスティングの出来る方なんだろうな・・・と拝見しています。それと以前ほど感動を受けなくなった・・・と言う行、わっ!大胆な発言・・・と少々ビックリしましたが、その後の「感動する力」への行で、非常に感銘を受けました。確かに点数や、○×だけで判断出来ない部分は必ずありますよね。ですがドンドン慣れ親しんで行くにつれ、その最初の部分を忘れてしまう時がありますね。僕ももう一度感動力を呼び起こしてみたいと思いました。
by 井上酒店 (2008-10-08 23:33) 

つーたん

井上酒店様、毎度いらっしゃいませ。
前回の花垣社長さんを囲む会は、私が遅れて行ったこともあり、
皆さんとゆっくりお話という感じではなかったですね。
ご近所さんですし、今度ぜひ一緒に飲みにいきましょう。

いいテイスティングが出来てるかどうかは自分自身の
ことなのでなんともいえませんが、利き酒は
身体のコンディションを整えることが大切だと思います。
できるだけ同じ状態でいつもお酒に向かい合うこと、
それと先入観をなくすことも大切です。
なので、スペックそのものは利き酒に必要ではありません。
そのお酒を語る時に利用勝手がいいだけの話です。
良い悪いの判断と好き嫌いの評価を使い分けることが大事ですね。


by つーたん (2008-10-09 18:14) 

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