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玉川 [入荷予定]

20101105

玉川自然仕込山廃純米大吟醸生酒玉龍2008BY
   木下酒造(京都府京丹後市久美浜町)

DSCF2156.jpg

大吟醸酒と呼ばれるカテゴリーのお酒で、
果たして山廃仕込を行う意義があるのだろうか、そんな問いを持たせてくれるお酒です。

吟醸酒というものが「きれいな」お酒を目指すため、
お米を高精白し低温でもろみを管理する一方で、
山廃仕込という酒母造りは、出来上がるお酒に豊かな酸をもたらします。
更に、低温とはいえ火入しない生の状態で貯蔵されてきましたので、
このお酒自体は未完成品のまま、変化のまっただ中にもあるとも言えます。

造り手であるフィリップ・ハーパー杜氏と日本酒について話していると、
彼自身は何が良い、こうあるべきだという理想像みたいなものは語りません。
ただ、ああして見たい、あるいはこうしたらどうなるだろう等といったような、
様々なアイデアを多く語ってくれます。
彼の持つ考え方というよりも、彼自身が抱く好奇心の方に私は圧倒されます。

このお酒が持つ豊かさとは、
ルールの中で評価を受けようとするのではなく、
ルールその物を疑い、今あるルールの自明性を留保し、
新しい価値観の可能性を感じさせてくれる、そんなお酒です。
嗜好品であるお酒の美味しさとは個々の人々で違ってはいますが、
ある種の共通項として共有されているコードみたいなものがあって、
美味しさの枠組みみたいなものが決まっているかのように考えてしまいます。
しかし、ハーパーさんのお酒はそんな枠組みを解体してくれます。
別の在り方を提示し、今あるものを乗り越え、
現在のコードを更新していく、前向きな意思を感じることができます。

彼が人を惹き付けて止まない理由を垣間みることができるお酒の一つです。

お買い求めはこちらからです。




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